1/2
https://www.jcr.co.jp/
1 7 - I- 0 0 6 8 2 0 1 8 年 2 月 2 6 日
株式会社日本格付研究所(JCR)は、以下のとおり信用格付の結果を公表します。
ポルトガル共和国
(証券コード:-)【据置】
外貨建長期発行体格付 A
格付の見通し 安定的
自国通貨建長期発行体格付 A
格付の見通し 安定的
■格付事由
(1) 格付は比較的発展した経済、主要政党の財政健全化へのコミットメント、ユーロ圏の支援体制などを評価
している。他方、依然として脆弱な金融システム、高水準の対外債務および政府債務などが格付の制約要
因となっている。格付の見通しは安定的。金融システムは安定化途上にあるものの、労働市場改革、社会
保障制度改革などの構造改革を継続する中で成長率は上向いてきている。政府債務の GDP 比も財政赤字
の抑制により縮小しはじめている。
(2) 17年の名目GDPは約2,310億米ドル、一人当たりGDP(購買力平価ベース)は30,000米ドル超。JCRが
格付けする A レンジのソブリンの中では、経済は比較的発展している。堅調な個人消費と設備投資の大
幅な伸びにけん引され、17 年の成長率は2.7%と、16年の 1.5%を上回った。経常収支黒字が続く中、純
対外負債の抑制により、対外ポジションも改善している。JCR では 18 年は内需により 2%程度の成長を
見込んでいる。中期的には労働市場改革、社会保障制度改革などの進展により競争力が強化され成長率が
高まる可能性がある。
(3) 14年から17年にかけて、政府は経営不振に陥った銀行の再建・破綻処理等を実施してきた。17年には、
総資産で国内最大の国営貯蓄銀行(CGD)に対し公的資金を含む資本増強を実施した。不良債権比率は
16年6月の17.9%から低下傾向にあるものの、17年9月時点で14.6%と依然として高いことから、政府
は不良債権処理を進めるため新たな枠組みの創設を計画している。銀行が金融仲介機能を十分に回復する
までには、なお時間を要すると思われる。
(4) 歳出削減を中心とする財政健全化策が奏効し、一般政府財政赤字(ESA2010)の GDP 比は14 年の 7.2%
から 16 年には 2.0%まで縮小した。17 年の同比率は 2%程度にとどまるとみている。一般政府債務残高
(ESA2010)の GDP比は16年末の130%から17年末には126%へ低下した。EU の財政ルールを順守す
るため、政府は今後も財政赤字の抑制に努めることから、一般政府債務の GDP 比は徐々に低下していく
とみている。なお、政府は15年以降、IMF融資資金(229億SDR、同融資の最終貸出時(14年4月)の
為替レートで約260億ユーロ)の83%をすでに繰上返済し、利払いコストを抑制している。
(担当)内藤 寿彦・山本 さくら
■格付対象
発行体:ポルトガル共和国(Portuguese Republic)
【据置】
対象 格付 見通し
外貨建長期発行体格付 A 安定的
2/2
https://www.jcr.co.jp/
格付提供方針に基づくその他開示事項
1. 信用格付を付与した年月日:2018年2月21日
2. 信用格付の付与について代表して責任を有する者:増田 篤
主任格付アナリスト:内藤 寿彦
3. 評価の前提・等級基準:
評価の前提および等級基準は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に「信用格付の
種類と記号の定義」(2014年1月6日)として掲載している。
4. 信用格付の付与にかかる方法の概要:
本件信用格付の付与にかかる方法の概要は、JCR のホームページ(https://www.jcr.co.jp/)の「格付関連情報」に、
「ソブリン・準ソブリンの信用格付方法」(2014年11月7日)として掲載している。
5. 格付関係者:
(発行体・債務者等) ポルトガル共和国(Portuguese Republic)
6. 本件信用格付の前提・意義・限界:
本件信用格付は、格付対象となる債務について約定通り履行される確実性の程度を等級をもって示すものである。
本件信用格付は、債務履行の確実性の程度に関しての JCR の現時点での総合的な意見の表明であり、当該確実性
の程度を完全に表示しているものではない。また、本件信用格付は、デフォルト率や損失の程度を予想するもので
はない。本件信用格付の評価の対象には、価格変動リスクや市場流動性リスクなど、債務履行の確実性の程度以外
の事項は含まれない。
本件信用格付は、格付対象の発行体の業績、規制などを含む業界環境などの変化に伴い見直され、変動する。ま
た、本件信用格付の付与にあたり利用した情報は、JCR が格付対象の発行体および正確で信頼すべき情報源から入
手したものであるが、当該情報には、人為的、機械的またはその他の理由により誤りが存在する可能性がある。
7. 本件信用格付に利用した主要な情報の概要および提供者:
・格付関係者が公表した経済・財政運営方針などに関する資料および説明
・経済・財政動向などに関し中立的な機関が公表した統計・報告
8. 利用した主要な情報の品質を確保するために講じられた措置の概要:
JCR は、信用格付の審査の基礎をなす情報の品質確保についての方針を定めている。本件信用格付においては、
発行体または中立的な機関による対外公表という、当該方針が求める要件を満たした情報を、審査の基礎をなす情
報として利用した。
9. 非依頼格付について:
本件信用格付は格付関係者からの依頼に基づかない信用格付である。国に対する信用格付である場合を除き、依
頼に基づく格付と区別するため格付記号の後に「p」を表示している。格付関係者からは、信用評価に重要な影響を及
ぼす非公表情報を入手していない。
10.JCRに対して直近1年以内に講じられた監督上の措置:なし
■留意事項
本文書に記載された情報は、JCRが、発行体および正確で信頼すべき情報源から入手したものです。ただし、当該情報には、人為的、機械的、また
はその他の事由による誤りが存在する可能性があります。したがって、JCRは、明示的であると黙示的であるとを問わず、当該情報の正確性、結果、
的確性、適時性、完全性、市場性、特定の目的への適合性について、一切表明保証するものではなく、また、JCRは、当該情報の誤り、遺漏、また
は当該情報を使用した結果について、一切責任を負いません。JCRは、いかなる状況においても、当該情報のあらゆる使用から生じうる、機会損失、
金銭的損失を含むあらゆる種類の、特別損害、間接損害、付随的損害、派生的損害について、契約責任、不法行為責任、無過失責任その他責任原因
のいかんを問わず、また、当該損害が予見可能であると予見不可能であるとを問わず、一切責任を負いません。また、JCRの格付は意見の表明であ
って、事実の表明ではなく、信用リスクの判断や個別の債券、コマーシャルペーパー等の購入、売却、保有の意思決定に関して何らの推奨をするも
のでもありません。JCRの格付は、情報の変更、情報の不足その他の事由により変更、中断、または撤回されることがあります。格付は原則として
発行体より手数料をいただいて行っております。JCRの格付データを含め、本文書に係る一切の権利は、JCRが保有しています。JCRの格付データ
を含め、本文書の一部または全部を問わず、JCRに無断で複製、翻案、改変等をすることは禁じられています。
■NRSRO 登録状況
JCRは、米国証券取引委員会の定めるNRSRO(Nationally Recognized Statistical Rating Organization)の5つの信用格付クラスのうち、以下の4クラス
に登録しています。(1)金融機関、ブローカー・ディーラー、(2)保険会社、(3)一般事業法人、(4)政府・地方自治体。米国証券取引委員会規則 17g-7(a)
項に基づく開示の対象となる場合、当該開示はJCRのホームページ(https://www.jcr.co.jp/en/)に掲載されるニュースリリースに添付しています。
■本件に関するお問い合わせ先